
作者略歴
芹沢銈介は、1895年に静岡市に生まれた染色家です。東京高等工業学校図案科を卒業後、柳宗悦の民藝運動に影響を受け、染色の道に進みました。沖縄の紅型にも学び、型紙を用いて文様を染める「型染」の表現を深めました。1956年には「型絵染」で重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定されています。晩年まで染色、装幀、挿絵、看板、陶器の絵付けなど幅広い分野で活躍しました。
作品紹介
本作は、芹沢銈介による型染カレンダーです。和紙の上に、数字や曜日、装飾文様が大胆に配置され、実用のカレンダーでありながら、一枚の絵のような美しさを持っています。芹沢の型染カレンダーは12枚1組で制作され、月ごとの季節感や文様の楽しさが表現されています。
このカレンダーでは、赤、青、緑、黄、黒などの力強い色が使われ、文字そのものが文様の一部として生きています。中央の装飾には花や幾何学的な模様があしらわれ、左右に並ぶ日付の数字にもリズムがあります。手漉き和紙のやわらかな質感と、型染ならではの素朴で明快な色面が調和し、暮らしの中で使うものを美しくする芹沢銈介の思想が感じられます。
芹沢銈介の作品は、わかりやすく親しみやすい文様と、民藝の精神に根ざした温かさが特色です。このカレンダーも、日々の暦でありながら、文字・色・かたちが一体となった鑑賞性の高い作品です。